データの分析設計方法

今回はデータの分析設計方法について記載させていただきます。
どうやって分析を進めればいいかわからない。取り敢えず手当たり次第数値を眺めているけど時間ばかり経ってしまって肝心の解きたい問題に対する答えが見つからない。など分析をする上で困っている方の状況を打破するアイディアの一つとなると幸いです。

※このブログの内容は個人の意見・見解となります。また、記事の内容の正確性については保証いたしません。本ブログの目的は分析結果をアウトプットしていくことによる自身のデータ分析力向上を主としています。誤りや違うアプローチの方が良いという事も多分にあると思います。後学のため、「もっとこうしたらいい」や誤りを見つけた場合はコメント欄などでお知らせいただけると有難いです

○分析設計の流れ
 まずは、筆者がデータを分析する際に行なっている設計の流れを記載させていただきます。

1:分析の目的を掘り下げる
 2:評価軸の設定
3:要因の列挙
 4:要因の選択
上記4つの流れで分析設計を行なっています。

○設定:ECサイトを運営している会社で「年末セールの効果を検証したい」と上司から頼まれた 

 今回は、「年末セールの効果を検証したい」と上司から頼まれたケースを想定して先ほど紹介した分析の流れに沿って設計をしていきたいと思います。

1:分析の目的を掘り下げる
まずは分析の目的を掘り下げていきます。そもそも年末セールを行う目的はなんでしょうか?
・売れ残ったシーズン物の在庫処分
・新規顧客の獲得
・既存顧客の購買促進
上記以外にも考えられる目的は沢山あると思います。例えば、上で上げさせていただいた「在庫処分」なのか「新規顧客の獲得」なのかでも見るべきデータが異なりそうです。今回の年末セールが何を目的として行なっていたのか、ここをしっかり掘り下げて上司に確認することで分析の出戻りを防ぐことができます。今回は「既存顧客の購買促進」を目的とします。

2:評価軸の設定
「既存顧客の購買促進」はどのように評価すれば良いでしょうか?
何が分かれば「既存顧客の購買を促進できた」と言えるかを考えます。
例えば、

・売上 ・購買頻度 ・収益 ・継続利用有無 ・次月の購買率 ・併売率 ・購入点数 ・直近の購買実績がない会員に対する呼び戻し効果など

沢山出てくるとと思います。全てを評価軸としてしまうとこんがらがってしまうため、抽象化してまとめれるものはまとめてしまいます。
例えば、「売上、収益」→経済効果、「継続利用有無、購買頻度、次月の購買率、呼び戻し」→利用頻度、「併売率、購入点数」→購買内容、といったように同じような意味合いのものをまとめてあげることで評価軸を絞り込みます。
今回の評価軸は「経済効果」、「利用頻度」、「購買内容」の3つとします。

1.2をまとめると「年末セールによる既存顧客の購買促進効果を「経済効果、利用頻度、購買内容」の3つの評価軸を基に検証する。」といった形になり、当初の「年末セールの効果を検証したい」といった依頼から具体的に何に対してどのようなことを検証すればいいのかが分かりやすくなったかと思います。

3:要因の列挙
次は要因を列挙していきます。2で決めた評価軸を基に要因を上げていきます。
例)経済効果の場合
売上、費用、粗利額、客単価、商品毎の売上、商品ごとの費用
考えうる限りの要因をここでは書き出してみると良いと思います。広い視点で見てみたり、狭く閉じた視点で見てみたり、視点を変えることで多くの要因を書き出すことができ、抜け漏れ防止に繋がります。

4:要因の選択
3で書き出した要因から何を使うか選択していきます。
選択する際に重要なことは「意思決定をする際に必要となるか」を軸に考えると良いと思います。
今回の場合、経済効果では「売上、費用、粗利額、客単価、商品毎の売上、商品ごとの費用」の5つの要因を挙げていますが「既存顧客の購買促進」といった目的から鑑みると商品軸である「商品毎の売上、商品ごとの費用」の2つは必要なさそうです。そのため、経済効果では「売上、費用、粗利額、客単価」さえ見ておけば良いと考えられます。

この1~4が終わると「年末セールによる既存顧客の購買促進効果を「経済効果、利用頻度、購買内容」の3つの評価軸を基に検証する。経済効果は「売上、費用、粗利額、客単価」、利用頻度は「・・・」、購買内容は「・・・」を確認する。」といった分析の明確なロードマップが出来ます。
この設計書を上司に確認してもらい、共通認識とすることで無駄な分析を行わず効率的に分析を進められると思います。

○参考資料

本物のデータ分析力が身に付く本:
https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%AC%E7%89%A9%E3%81%AE%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E5%88%86%E6%9E%90%E5%8A%9B%E3%81%8C%E8%BA%AB%E3%81%AB%E4%BB%98%E3%81%8F%E6%9C%AC-%E6%97%A5%E7%B5%8CBP%E3%83%A0%E3%83%83%E3%82%AF-%E6%B2%B3%E6%9D%91-%E7%9C%9F%E4%B8%80/dp/4822237729/ref=sr_1_1?adgrpid=57075246681&gclid=Cj0KCQiAlKmeBhCkARIsAHy7WVtGzgKLCD03HlaXUvNjt1HCYoU8qAM8cVoo3ony0pOmW2nltaYLjkAaAnudEALw_wcB&hvadid=618689527184&hvdev=c&hvlocphy=1009473&hvnetw=g&hvqmt=e&hvrand=9008194736205105495&hvtargid=kwd-317705064373&hydadcr=2757_13606382&jp-ad-ap=0&keywords=%E6%9C%AC%E7%89%A9%E3%81%AE%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E5%88%86%E6%9E%90%E5%8A%9B%E3%81%8C%E8%BA%AB%E3%81%AB%E4%BB%98%E3%81%8F%E6%9C%AC&qid=1674262138&sr=8-1

○最後に

このような形で分析した結果や試してみたことを週に1回(目標)ペースで掲載しています。データ分析のキャリアを歩み始めたのですが、データの解釈、分析力が低いと感じ今回、このような形でアウトプットをしていくことにしたため、ぜひ、アドバイスやご指摘をいただけると幸いです。